正社員として安定した会社に勤めたけれど、手取りが低くて、生活ができなかった体験を語ろう・・・

両親のすすめもあって、女性ならば安定した団体に就職しなさいと進められて、入職。これは、ほんとにあった体験談です。

これで、育英会の借金も返していける！

そう。最初の初任給をもらうまではそう思っていました。

モデル賃金がよくＨＰなどの人材募集の欄に掲載されていると思います。

就職活動しているときには、どこの会社もだいたい月給24万円とか、初任給400万円以上とか、書いてありましたよね。

大手、中小、団体で比較してみても、このモデル賃金の月給の額というのは、どこの会社もそんなに変わらなかったのではないでしょうか。

ましてや、当時、就職氷河期と言われた時代・・・。受験の時とは違い、すべり止めなどたくさん用意できない頃です。

大手はいいとこどまりで、結局最終面接まで行けた会社はたった１社。それでも、他の国公立大学と見劣りする学歴が災いするのか、結果として不採用の決定通知が入った封筒だけがぽつんと残りました。

公務員試験は、毎年採用枠がある「一般」とは違い、技術系のコアな募集は募集人数すらない年もあります。

仕方がないので、比較的社員数のいる中小企業への就職活動を開始したところ、都内にある社団法人、いわゆる団体の人材募集を見つけます。

“団体の給料は低い、でも安定して働くことができる”

―準公務員みたいなものだから、その社団法人に入社しよう！

そう思いました。就職面談を受けると、他の希望者はみんな教授の推薦枠で応募しているようでした。

自分だけが、まったく未知の大学から応募しています。

幸い、最終面談の評価も良く、入社が決まりました。

「社団法人なら育英会の借金がゼロになる！」と思っていました。

しかし・・・。

社団法人であっても一部の団体以外は、育英会の借金を返金していかなければならないことに気がついていませんでした。

入社してすぐに、育英会の返金手続き免除の書類を人事課に持っていきます。

すると・・・。

「うちの団体は免除にならないんじゃないのぉ？」と一言。

そう、この団体は、育英会の免除の団体ではありませんでした。

研究職としての入社だからと、なんとか掛け合ってもらったものの、結果は不受理・・・。

こうして地獄が始まりました・・・。

団体社員でも使える借入金と正社員２年目からの手取りがさらに低くなる話

初任給をもらった時は、まだ住民税が差し引かれていなかったため、生活することができました。

都内で一人暮らしをはじめたので、アパート代として毎月８万円以上差し引かれてしまいます。

上下水道、ガス、電気代を差し引くと、手元にはあまり残りませんでした。

そこから、日本育英会の返済がどかんっ！とひかれてしまいます。

当然、１年目にはボーナス分のいくらかが手元に残るだけでした。

サービス残業はあっても、幸いだいたい22時までには家に帰ることができました。

もしも一般企業に勤めていたのなら、もっと残業が多いのだろう・・・友人のメールを見て思いました。

自分は体力自慢ではないのだから、この半官半民の状態でも頑張ろうと思いました。

しかし、住民税を支払う２年目からは手取り給料が減ります。

育英会はボーナス分から支払うしかありません。

幸いにして、この団体では個人的な借金の返済のためのローンがあったので、会社から借入れし、ボーナス時に一括で支払ってしのぐことにしました。

しかし、そんな生活は長く続くわけがありません。

実家が関西方面だったため、頻繁に実家に帰る費用も捻出できません。

夏休みがあっても、実家になど変えることもできませんでした。

正社員で手取りが低い団体に就職して働き続けるためには、結婚するか、45歳まで貧乏で頑張らなければムリ

そんな法人での正社員生活ですが、周りを見渡してみると、それほどの生活苦には見えません。

何故だかわかりますか？

答え、安い給料でも生活できるのは、みんな実家から通っているからです。

都内の法人の給料は、とても安い。

それでも継続して勤務すれば、実は民間よりは年収アップが見込めます。

そして民間人と同じくらいの給料になるのは、だいたい４５歳くらいです。

一般企業では、ベースアップがなくなっていますから、４５歳くらいまで勤めればようやく一般企業の人と同じくらいの生活ができるようになるというわけです。

しかし、都内で一人暮らしをして、育英会の借金を返金していたら、絶対に生活することなどできません。

団体などに就職している女性の多くは、「だれかの推薦」で入社している場合が多く、つまり推薦がもらえるということは、親のどちらかが公務員だとか、いわゆる代議士だとか、はたまた有名な大学の教授の推薦だとか、そういうコネ入社できるヒトです。

そんな感じの女性ですから、結婚についても、「だれかの推薦」でお見合いして結婚します。

結婚しても働ける現場なのですから、辞めたりはしません。

生活費はだれかに出してもらって、ようやく働くことが許されるという感じなのです。

年収というのは入った会社で決まってしまう！あなたの頑張りや努力は関係ないっ！そして経費で手取りは変わる！？

つまり・・・年収というのは、あなたが入社した会社で決まってしまうのです。

そして、あなたが入社した会社で、あなたの社会的なポジションも決まってしまうのです。

さらに、あなたが入社した会社が、社宅や独身寮、財形貯蓄、健康診断などなどの経費として使ってもいいよ、と社員の福利厚生を用意してくれるかどうかによっても、あなたの生活は変わってしまうのです。

これまで大手と言われてきた会社には、社宅があります。

だいたい６万円くらいは出してくれます。少ないところだと３万円までしか出しません。

財形貯蓄についても、一般的な金利よりも優遇されて老後の資金をためることができます。

健康診断は無料で受けることができます。健康診断のお金を差し引かれることはありません。

少し前だと食事手当として３万円位もらえるヒトもいました。

もしくは会社が提携しているお弁当屋さんの昼食を格安で用意しておいてくれます。

旅行についても、一般的な金額よりも安く利用できるプランを持ってきてくれるし、抽選ですが社員なら無料で使える保養所もあったりします。

だから、大手といわれる会社では、プライベートで使う費用はだいたい会社が経費として用意しておいてくれます。

もらった手取りの給料から出ていくのは、せいぜい洋服代とか、光熱費くらいになります。

いろいろな仕事のノウハウ本には、やる気がわく仕事術のようなものが掲載されていますが、あんなの大手に勤めていて、退職金とは別の独立資金が用意され、最初の出版本も出せる環境を用意してくれた会社があるからです。

よく見てみてください。著者はほとんど決まった会社出身の人たちです。

つまり、今の年収に不満があるたいていの人は、あなたの努力が足りないからではありません。

仕事を頑張ったらもっと生活が楽になると思ったら、大間違いです。

あなたの生活を楽にする唯一の方法は、入社する会社を自分で選ぶ、つまり転職以外にはありません。

わたしも転職を何度か経験したからこそ、言えることです。

結局、自分が頑張ったから年収が上がったりはしませんでした。自分の社会的なポジションというのは、自分から取りに行かなければならないのです。

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